それならばと思い、俺は七海のおばさんに電話をかける。
「あ、もしもし。すみません、今、大丈夫ですか?柚乃ちゃん、もしかしてそっちに行ってます?」
『それが、さっきずぶ濡れで来て、パソコンを置いてすぐに帰っちゃったのよ』
パソコンを置いてすぐに帰った?
……もしかして、そのパソコンを見れば全部わかるんじゃ……?
すぐにそっちに行くと告げて、俺は車のキーを持って家を出る。
急いで七海の家に向かったが、柚乃ちゃんに会う事はできなかった。
かなりひどい雨で渋滞を起こしていたため、予想よりもだいぶ到着が遅くなってしまった。
「燈真君、忙しかったんじゃない?大丈夫?」
「大丈夫。それで、七海のパソコンって……」
「これ。あ、それとね、柚乃ちゃんから燈真君にって伝言があるんだけど」
「伝言?」
「タブレット、パスワードはクラシックレモン……何の事かしら?」
不思議そうに首を傾げるおばさんの手からパソコンケースを受け取る。
ケースの中にノートパソコンとは別にタブレットも収まっていた。
タブレットの電源を入れると、パスワードを入力してくださいと表示される。
『あなたの思い出は?』
「これか?クラシックレモンって……」
クラシックレモンというのは、俺たちドリプリがイメージキャラクターとして就任しているソフトキャンディの味だ。
数年前に新発売してから爆発的なヒット商品となり、期間限定ではなくレギュラー商品として定着した。
クラシックレモンと打ち込むと、パスワードが解除されてタブレットが開いた。
画像ファイルを選択すると、ずっと追っていた七海の婚約者の写真が見つかった。
七海と寄り添うように並んでいて、爽やかそうな笑顔をこちらに向けている。
もし俺に特殊能力が備わっていたのなら、この画面の中からこいつを引きずり出して殴り倒していた事だろう。
こいつが、七海の命を奪った……。
怒りに震えていると、ピンポーンとインターホンが鳴った。
時計を見ると、7時半を少し過ぎたところ。
もしかして、柚乃ちゃんが戻ってきた?
「はーい」
おばさんがインターホンで対応をする。
『夜分遅くにすみません。スノーライツ出版社の田辺です』
「あ、はい。お待ちください」
スノーライツ出版社って七海の勤めていた出版社じゃないか。
俺はタブレットを持って立ち上がり、リビングから奥の部屋へと身を隠す。
「あ、もしもし。すみません、今、大丈夫ですか?柚乃ちゃん、もしかしてそっちに行ってます?」
『それが、さっきずぶ濡れで来て、パソコンを置いてすぐに帰っちゃったのよ』
パソコンを置いてすぐに帰った?
……もしかして、そのパソコンを見れば全部わかるんじゃ……?
すぐにそっちに行くと告げて、俺は車のキーを持って家を出る。
急いで七海の家に向かったが、柚乃ちゃんに会う事はできなかった。
かなりひどい雨で渋滞を起こしていたため、予想よりもだいぶ到着が遅くなってしまった。
「燈真君、忙しかったんじゃない?大丈夫?」
「大丈夫。それで、七海のパソコンって……」
「これ。あ、それとね、柚乃ちゃんから燈真君にって伝言があるんだけど」
「伝言?」
「タブレット、パスワードはクラシックレモン……何の事かしら?」
不思議そうに首を傾げるおばさんの手からパソコンケースを受け取る。
ケースの中にノートパソコンとは別にタブレットも収まっていた。
タブレットの電源を入れると、パスワードを入力してくださいと表示される。
『あなたの思い出は?』
「これか?クラシックレモンって……」
クラシックレモンというのは、俺たちドリプリがイメージキャラクターとして就任しているソフトキャンディの味だ。
数年前に新発売してから爆発的なヒット商品となり、期間限定ではなくレギュラー商品として定着した。
クラシックレモンと打ち込むと、パスワードが解除されてタブレットが開いた。
画像ファイルを選択すると、ずっと追っていた七海の婚約者の写真が見つかった。
七海と寄り添うように並んでいて、爽やかそうな笑顔をこちらに向けている。
もし俺に特殊能力が備わっていたのなら、この画面の中からこいつを引きずり出して殴り倒していた事だろう。
こいつが、七海の命を奪った……。
怒りに震えていると、ピンポーンとインターホンが鳴った。
時計を見ると、7時半を少し過ぎたところ。
もしかして、柚乃ちゃんが戻ってきた?
「はーい」
おばさんがインターホンで対応をする。
『夜分遅くにすみません。スノーライツ出版社の田辺です』
「あ、はい。お待ちください」
スノーライツ出版社って七海の勤めていた出版社じゃないか。
俺はタブレットを持って立ち上がり、リビングから奥の部屋へと身を隠す。