そこまで話したところで真澄が遠慮がちに言ってきた。
「とっても良いお話ね。私、泣きそうになっちゃった」
姿は見えないが、真澄の目には涙が滲んでいるような気がした。
「ありがとう。長い話に付き合ってくれて」
僕が素直に感謝していると真澄が聞いてきた。
「いくつか質問していい?」
「いいよ」
何だろうかと思った。
「まず、いじめは、どうなったの?」
てっきり奈々さんとのことを尋ねられると思った僕は少々拍子抜けをした。
「ああ、そうだね。そっちの話はまだしていなかったね。実は意外な展開になったんだ」
僕はその後の話を続けた。