奈々さんは三線のケースから小さな飲み物の容器を取り出すと、蓋を開け中身を口に運んだ。その容器は映画などでよく見られるものだった。カウボーイや海賊がポケットから取り出してウィスキーを飲むあれだ。フラスクという名前は後から知った。
奈々さんは更に二口目に移った。三線を抱えたままフラスクから酒を飲む奈々さんは、まるで映画のヒロインみたいで見栄えが良かった。
「あの、中身はやっぱりお酒ですよね?」
僕が尋ねると奈々さんは迷わずに答えた。
「中身はスコッチよ」
「まさかストレートってことはないですよね?」
「そうよ、私、ウィスキーはストレートでしか飲まないから」
カッコよすぎる答えだった。
「でも、ウィスキーをストレートで飲む人って、僕のイメージでは人生終わってる奴っていう感じなんですが」
「ああ、それは当たってるかも。私、確かに人生終わってるかな」
「いいえ、奈々さんのことを言ってるわけじゃありません」
僕は慌ててそう言ったが奈々さんは僕の言ったことなど気にしていなかった。
奈々さんは更に二口目に移った。三線を抱えたままフラスクから酒を飲む奈々さんは、まるで映画のヒロインみたいで見栄えが良かった。
「あの、中身はやっぱりお酒ですよね?」
僕が尋ねると奈々さんは迷わずに答えた。
「中身はスコッチよ」
「まさかストレートってことはないですよね?」
「そうよ、私、ウィスキーはストレートでしか飲まないから」
カッコよすぎる答えだった。
「でも、ウィスキーをストレートで飲む人って、僕のイメージでは人生終わってる奴っていう感じなんですが」
「ああ、それは当たってるかも。私、確かに人生終わってるかな」
「いいえ、奈々さんのことを言ってるわけじゃありません」
僕は慌ててそう言ったが奈々さんは僕の言ったことなど気にしていなかった。