『君はサボテン』
諦めずに掴んでた
最後の最後で失った
風にふかれたせいにした
今の記憶
誰も寄せ付けない
日差しはどこにあるのか
手探りだらけに迷う日々
今なら分かる
トゲだらけでも求め続けて
生きることが答え
受け入れてくれる日差しを探そう
まっすぐにまっすぐに
ただ進みきり
まっすぐにまっすぐに
光をまとい
まっすぐにまっさらに
日々を遮らない
君はサボテン
痛みを知る君に
強くなる光をあげよう
まっすぐにまっすぐに
ただ進みきり
まっすぐにまっすぐに
光をまとい
まっすぐにまっさらに
日々を信じる
君はサボテン
強く優しい
君の光を守ろう
ーー拍手がなりやまない。
「最高!」
声がする。私と小絵と青山はお辞儀をして、リハーサル通り舞台裏に移動する。
「菜穂、あんたボーカル向いてるわ」
「いや……私は」
次は二村樹の単独ライブ。
ピアノの音と共に
『流れ星行進曲』は空へ輝いて響く。
『俺ね……将来シンガーソングライターになるんだ』
樹の夢が叶った。
そして……私の夢も。
今度は観客席から樹の声を聞く。
その声を聞きながらこれからも私は願っている。
この時間がずっと続きますように。
私の夢の続き。
今度は目を背けず、君の側で。