「エロいのもいいけど、やっぱりあんたはこういうかっちりしたほうが似合うね」とか


「おー!! それ、めっちゃいい!! さり気なく覗く鎖骨! 最高じゃん!」とか




分かったから、店員の前で叫ばないで欲しかった。


あれもこれもとどんどん追加されていき、めんどくさくなった俺は服屋から離れ、アクセサリーショップにふらりと吸い込まれた。


見ている中で特に惹かれたのは、ごくごくシンプルなダークシルバーのイヤーカフだった。


それに合わせる用に黒系統の色のピアスをいくつかと、シルバーのフープピアス、機会があったら付ける用の紅水晶でできた桃の花と紫水晶でできた蝶のイヤーカフを手にとってレジへ持っていく。




「お買い上げありがとうございます」




店員の弾むような明るい声が響いた。


そんなことをしていると───




「あ、いた! ちょっと、勝手にいなくならないでよ」




姉貴がそう叫びながら駆け寄ってきた。




「外ででかい声出すなよ、姉貴」


「いつも目を離すとすぐにいなくなるあんたもいけないでしょーが!」


「はいはい」




文句を言うと、文句で返される。


それに二つ返事をすると、姉貴とアクセサリーショップを出た。