「いいから。行くなら早く行こ」


「もー。あんたはホントに冷たいな」




ブーブー文句を垂れながら、姉貴の足は最寄り駅へ向いていた。




「今更だけど、どこ行くの」


「三駅隣りの大型ショッピングセンター」


「は? いつもはそこのショッピングモールで済ませてんだろ」





問いに対してあまりにも予想外な答えが返ってきたため、俺は素っ頓狂な声をあげる。




「いや、あっちのほうに行きたいお店があるからさ。ついで。奢るし、ついてきてよー」


「なんだよ、行きたいお店って。てか、早く帰らせろ」


「ついてからのお楽しみねー」




姉貴はひとりでケラケラ笑いながらいつの間にか目の前に来ていた電車に乗り込んだ。


俺は、仕方なくその後をついていく。




三駅というものはあっという間に過ぎ去り、まだ踏み慣れないホームへ足を踏み出した。


駅から歩いて10分ほどの場所にあったショッピングセンターで姉貴に嫌というほどきせかえさせられた。