そして、べーと姉貴にしたように舌を見せた。




「これは、妹が選んでくれたやつ」




鷹司がクスリと笑った。




「鷲崎は、お姉さんとか妹のことが好きなんだ」


「まぁ……なんだかんだ、ね。一応兄弟だし。鷹司もつける? 俺が選んだやつ」


「俺は、穴あけるの怖いしなあ」


「イヤーカフとか、挟むだけのピアスもどきとかでも結構種類あるよ」




ズボンのポケットからスマホを取り出し、検索をかける。




「ほら、これとか。鷹司の顔じゃこういう甘めのデザインでも似合うと思うし」




鮮やかな桜色の石と白濁色の石がオークの葉冠のように連なり、そこにチェーンで桜の花の装飾がぶらさがっている。




「俺にはあんまり華やかなの似合わないよ」




そう言う鷹司に、先程買った紅水晶のチェーンピアスをカバンから出し、耳に当ててみる。




「ほら、可愛い」


「か、かわっ……!?」




可愛い、という言葉に過剰に反応した鷹司は、頰を赤く染めた。