「そんなわけないだろー迷惑ばっかりかけられてても、本当にイヤだったら一緒にいねぇよ」


 「......っ」


 「だから、俺とこのままダチでいてく___」


 斉藤が何か絶対にいいことを言いかけたときだった。


 「きゃぁぁぁぁぁっ!!一ノ瀬さまぁぁぁ!!!」


 廊下から女子の悲鳴が聞こえてきた。


 な、なんだなんだ......?今どき、アイドルじゃねぇし、そんな学校内で騒ぐようなこともなかったはず......。


 「いやいや、空気読めよ!雰囲気的に俺が良いこと言う場面だったでしょ!」


 嘆いている斉藤はいったん置いておき、俺も廊下をのぞく。


 ただし、背が低い俺は、悲しいことになにも見えない。くそっ、背で見えないとか......圧倒的不利だろ!


 「一ノ瀬さまが学校来るなんて、珍しくない!?」


 「入学式以来だよっ!きゃあっ、今、目があったよっ?」


 「容姿がすばらしいうえに、クールで仕事も軽々こなすなんて、ハイスペックすぎる......!」