「速く終わらねぇかなぁ」


 中島の言葉に、俺たちは三人で、はぁーとため息をついた。


 ◇◇◇


 「なぁなぁ、斉藤!数学教えてくれよ!」


 さすがに数学の危機を感じた俺は、放課後、まっさきに斉藤のところにかけていった。


 こいつ以上に数学をできるやつを俺は知らないし、いたとしても友達じゃない。


 誰かいる気もしなくもないけど......。まあ、いっか。


 「はぁ、お前は本当に数学苦手だよな。俺も今日の授業、集中できなかったし、復習がてらに教えてやるよ。特別な~。今度何かおごれよ?」


 「いいのか!?ありがとな!今度、ジュースおごるわ!」


 これでテストは救われた......と俺はこのとき、安堵しきっていた。


 ___あいつとの約束も忘れて。


 ◇◇◇


 勉強をするために斉藤と図書室に行くことにした。