俺が思わず言い返そうと口を開いた瞬間だった。





 「そんなにお前にとって大事なことならさ___俺と、付き合ってみない?」





 しん、と沈黙が訪れる。


 俺は一ノ瀬の言ったことがわからなくて、必死に頭をめぐらせる。


 ツキアウ、つきあう、付き合う......。


 買い物に?こいつ、この期におよんでそんなこと言うか?


 買い物じゃないとしたら......恋愛的、に?


 いや、んなわけないだろ。一瞬でもそんなことを思ってしまった自分が恥ずかしい。


 「えーと。それって、どういうやつですかね......?」


 「ん?いや、そのとおりだけど」


 「え、そのとおりって......買い物に?」


 「はぁ?そんなこというわけないだろ。どう考えたって、恋愛的な(・・・・)だろ」


 いやいや、どう考えたって、買い物のほうだろ!