急に心配そうな表情になって距離をつめてくる。ギシリとスプリングベッドが音をたてて、一ノ瀬が乗ってくる。


 くそ、少し慣れてる感じなのが腹立つ。こうやって、何人もの女子を惚れさせてきたんだろ!?


 そう思うと急に腹立たしくなってきた。


 「お前がモテすぎるからムカついて言ってやったつーの!それ以外なんの理由もねぇし、今でも俺はお前が嫌いだわ!」


 一気に午前の気持ちを言い切ると、一ノ瀬は心外だとでもいうように、目を見開いた。


 なんか、言いたいことを言いきるとすっきりするけど、心がモヤモヤしなくもないような......。複雑な気持ちに名前をつけられなくて悩む。


 こんなの俺らしくないな......。まあ、すぐ忘れるけど。


 「なんだ、そんなこと」


 冷たく返されるかと思ったが、そんなことはなく。むしろ、返ってきたのはあっさりとした声だった。


 だけど、内容は聞き捨てならない。「そんなこと」という言葉で済ませられる問題じゃない。


 「そ、そんなことってなんだよ!?バカにしてんじゃねぇぞ!お前にとってはどうでもいいかもしれないけどな、俺にとっては___」