斉藤たちの悲鳴が聞こえたが、答えようとする前に、俺の意識は途切れた。


 ◇◇◇


 「___波。松波、聞こえるか」


 ん......俺、なにがあったんだっけ。


 目をあけると視界いっぱいにうつる、一ノ瀬の整ったきれいな顔。


 どうして、一ノ瀬と一緒にいるんだっけ、確か、バレーしてて.......。


 「お前は、柱にぶつかったんだ。覚えてるか?」


 「ああ、そうだったな......」


 一ノ瀬の言葉に素直に頷く。


 そういえば、ぶつかって意識がなくなったってことは、保健室だよな、ここ。なんで、一ノ瀬がここにいるんだ?


 「一ノ瀬、どうしてここに?」


 「松波を運んだんだ、ここまで。どうだ、体調は?頭からぶつかったらしいな」


 「あ、ああ......体調は大丈夫だ。少し、身体がだるいくらいだ」


 頭からぶつかったんだっけな......だから、意識を失ったのか。