「よっしゃー試合だ!ほら、斉藤、早くBコート行くぞ!」


 「お前、ほんと体育好きだよなぁ。三好たちを置いていくなよ」


 つまらない練習に飽きていた俺は、やっとできる試合にわくわくして、コートへと向かった。


 すると、メンバー一人が話しかけてきた。


 「ごめん、松波くん。僕、体調悪くなっちゃって。試合でれないんだ。誰か他の人をチームに誘ってくれるかな?ほら、試合時間中に休憩の人とか」


 「わかった。こっちはなんとかしとく」


 「ありがとう、松波くん」


 そいつが保健室に行く後ろ姿を見送ってから、俺は大きい声で休憩しているやつらに呼びかけた。


 「おーい、悪いが、一人体調が悪くなっちゃったんだ。誰か、代わりに出てくれないか?」


 俺の言葉にみんながだるそうな表情を見せた。そりゃあ、せっかくの休憩時間だから仕方ない。俺だって、休憩時間に助太刀を頼まれたら、自分からは手をあげないだろう。


 「ごめん、休憩時間で申し訳ないけど、誰か___」


 「俺がやる」