📚 本に恋しお 📚 第14回『人を動かす完党版』③ D・カヌネギヌ著、東条健䞀蚳新朮瀟

第二話ビオディナミ開県

「私が買いたくなるようなワむンがなくなっおきたのです」

ワむンの仲買商ずしお超䞀流のランクに䜍眮づけられるようになったルロワ瀟でしたが、マダムは危機感を匷めおいたした。買い付けたいず思う味のワむンがどんどん少なくなっおきたからです。

圓時は、倚くの葡萄生産蟲家が生産効率を䞊げるために、倧量の蟲薬散垃をするようになっおいたした。しかし、それが土を匱らせおいたのです。圓然、それは葡萄の生育や味に圱響したす。

そこで、マダムは䞀倧決心をしたす。
自分の畑を持぀ずいう決断をするのです。

しかし、そう簡単に理想の畑に改良できるはずはなく、マダムは悩み続けたす。出来䞊がったワむンを詊飲する床に、埗䜓のしれない味、舌に銎染たない違和感のある物質を感じるからです。

そんな時、蟲業の専門誌に玹介された友人の蚘事を目にしたす。
その人は、埓来の蟲法からビオディナミ蟲法に転換しお、矀を抜くワむン造りを成功させおいたした。

ビオディナミ蟲法ずは、先祖垰りのような蟲法で、『自然な環境で土壌ず怍物を保党し、䟡倀を䞎える取組み』であり、蟲薬ず化孊肥料を䜿わない有機栜培の䞀皮のこずを蚀いたす。

残留蟲薬のない安党なワむン造り、土本来の持ち味を生かしたワむン造り、それを目指したのが、ビオディナミ蟲法による葡萄栜培なのです。

友人の畑を芋孊した時のマダムの驚きは半端ないものでした。
「䜕よりも私を感動させたのは、畑の矎しさでした。黒々ずした生呜力のある土。畑の呚りに生えおいる昔ながらの雑草。ひず目で、健康な畑であるこずがわかりたした。銬が土を耕し、畝(うね)の矎しさには感動すら芚えたした。葡萄の朚々も生きおいお、果実も生きおいお、そしお䜕より、友人が䜜る癜ワむンの玠晎らしさが、畑の転換の正しさを物語っおいたした。」

もちろん、畑をほったらかし(・・・・・・)にしおおくわけではありたせん。
春になるず、ケむ玠をたくさん含んだトクサやスギナを煎じた液を撒きたす。
有害な菌が土から朚ぞず䟵入するのを防ぐためです。

そしお、怍物肥料を斜したす。
硫黄分の補充のためにノコギリ草を、鉄分の補充のためにむラ草を、石灰分の補充のためにカモミヌルを、カノコ草はリンを、西掋タンポポは珪酞を土にもたらしたす。
怍物肥料だけで土は豊かな寝床になるのです。

曎に、酞玠をたっぷり入れるために、時折、土を掘り起こしたす。
その䞊に、倪陜が降り泚ぎ、雚が降りたす。
自然のサむクルが土ず葡萄を育おおいくのです。

「葡萄を育おるこずは、その呚りの環境やそこに䜏み぀いおいる虫や動物なども共に育おるこずなのです。それらの生䜓連鎖によっお始めお、良い条件が生たれおくるのです」

黄金の斜面は若葉䞀色。
氎ず光の季節  、
倩ず地の恵みで葡萄が育぀。