清志……。キヨ清志清志……きよ……し。たすけて……。
 大きく息を吸おうとしたとき、うまく酸素を取り込めずに、胃の内容物が逆流してきた。喘鳴とともに、びちゃびちゃと体が汚れていく。いまの僕を里菜が見たら、さぞかし興奮することだろう。それともあまりにもひどい有様に、良心が先に傷むだろうか。
 飛散した吐瀉物が、すえた匂いを放つ。その刺激臭に嗅覚が反応して、気分の悪さを助長させる。体を引き攣らせながら、もう力の入らなくなってきた腕を伸ばし、なにもない宙にすがる。感情を無視した涙が、ぽろぽろと汗の中に溶けていく。
 ごめん、ごめんな清志……。僕はもう、駄目みたいだ。僕が死んだら、おまえはともだちのなかで一番悲しんでくれるだろうか。
 清志と連絡をとることが出来たら、今やっていることのすべてを投げ出してでも駆けつけてくれるだろうな。僕の命の灯火が消えかかっていても、一縷の望みにかけて、最後まで無事を願ってくれるだろうな。もしも僕に後遺症が残って、生活がままならなくなっても、清志なら……。いや、だめだ。清志には清志の人生があるんだ。僕なんかのために、おまえの貴重な時間を費やさなくてもいい。
 友達を喪う悲しみなんて、僕にはわからない。ただ、心に大きな穴が空いて、今回のことで抱いた感情をおまえが一生引きずって生きていかなければならないのだとしたら。
 最後の最後まで、迷惑をかけるよな、ごめん。ほんとうにごめん。
 謝っても謝っても、僕の気持ちが清志に届くことはない。もう二度と……。僕は誰にも気持ちを伝えられないのだ。
 人は死んだらどうなるのだろう。こんなに早く終わりが来るなんて、考えもしなかった。人がいつ死ぬかなんてわからないのに。昨日まで……いや、つい数分前まで笑っていたとしても、突如悲劇に見舞われれば、未来が閉ざされることだってあるのだ。自分がその立場になってようやく分かった。人は、自分の命ですら掌握できない。食物連鎖の頂点に立ち、万能ないきものだと勘違いして驕り高ぶっているだけの憐れな物体……。
 声に出すことのできない嗚咽が、かすかに喉を震わせる。どれだけ体を鍛えても、その機能を阻害されては、どうすることもできない。悔やんでも無駄だ。生き延びる手立てのひとつも見つけられなかった末路に立たされているのだから。

メを閉ziる。b、ぼ、ぼkはもう、、、、、、、
もウいい、ありがt tttトう…、…。からdaが、イうことあおきかにない。いyaダ、しに、、たk、、、ない。あやまrrrから、とびラを……あケにモどってキて……。