昨日もリズはそんなことを言っていた。その人物がそんな画期的な物を作ってくれたなんて感謝してもしきれない。
「おばあちゃんの話しでは、『神のきまぐれ』は始め異世界から持ち込んだ『家電』に魔石を埋めて使えるようにしたんですって。で、それをベースにしてよく似た物をどんどん作って普及させていったらしいわ。だから、このお店にある物も、魔石を埋めれば使えるようになると思う」
リズの話では、冷蔵庫、ストーブ、ドライヤーまで使えるようになるらしい。
魔力の流し方は指先に意識を集中させればよいらしく、やってみるとほんのりと人差し指が温かくなった。いきなり魔力をコントロールできて凄い、と思うも、これは幼児でもできることだと聞かされる。
「『神の気まぐれ』は私達にない凄い能力を持っているっておばあちゃんは言っていたわ。ミオは何ができるの?」
「えっ?」
突然向けられた、期待を込められた視線。キラキラと無邪気に光っているところ申し訳ないけれど、心当たりがまったくない。
(そんなこと言われても……五十年前の『神の気まぐれ』ハードル上げすぎじゃない?)
三種の神器ならぬ、当時のあらゆる家電を魔石で動けるよう改造するなんて神業、出来る気がしない。そもそも、テレビの配線すら人に任せるほどの機械音痴だ。良くも悪くも普通のミオに、人に誇れる特技はない、いや、一つだけあるかも。
「美味しいハーブティーを淹れることができます」
自分で言っておいて恥ずかしくなった。方や異世界の生活様式を変えるほどの功績をのこしているのに、こっちはハーブティ。これが『神のきまぐれ』というなら、本当に気まぐれすぎる。
「ハーブティー?」
「あれ、聞いたことないですか? もしかしてこっちの世界にはハーブティーないのかな? リズさん達はいつも何を飲んでいるんですか?」
「飲むのはお水、寒い時はお湯ね。貴族の家に行けば紅茶が出るらしいけれど、私達庶民にとっては高級品だから。あとはお酒! 私、町でバーをしているの」
昨晩のリズの姿から夜のお仕事だと思っていたけれど、バーテンダーとは意外だった。その逞しい腕なら、シェーカーを振るのも豪快だろう、と思う。
(それにしてもハーブティーなんて異世界でもありそうなのに)
なんとなくだけれど、しょっちゅうお茶を飲んでいるイメージがある。あくまでもイメージだが。
「おばあちゃんの話しでは、『神のきまぐれ』は始め異世界から持ち込んだ『家電』に魔石を埋めて使えるようにしたんですって。で、それをベースにしてよく似た物をどんどん作って普及させていったらしいわ。だから、このお店にある物も、魔石を埋めれば使えるようになると思う」
リズの話では、冷蔵庫、ストーブ、ドライヤーまで使えるようになるらしい。
魔力の流し方は指先に意識を集中させればよいらしく、やってみるとほんのりと人差し指が温かくなった。いきなり魔力をコントロールできて凄い、と思うも、これは幼児でもできることだと聞かされる。
「『神の気まぐれ』は私達にない凄い能力を持っているっておばあちゃんは言っていたわ。ミオは何ができるの?」
「えっ?」
突然向けられた、期待を込められた視線。キラキラと無邪気に光っているところ申し訳ないけれど、心当たりがまったくない。
(そんなこと言われても……五十年前の『神の気まぐれ』ハードル上げすぎじゃない?)
三種の神器ならぬ、当時のあらゆる家電を魔石で動けるよう改造するなんて神業、出来る気がしない。そもそも、テレビの配線すら人に任せるほどの機械音痴だ。良くも悪くも普通のミオに、人に誇れる特技はない、いや、一つだけあるかも。
「美味しいハーブティーを淹れることができます」
自分で言っておいて恥ずかしくなった。方や異世界の生活様式を変えるほどの功績をのこしているのに、こっちはハーブティ。これが『神のきまぐれ』というなら、本当に気まぐれすぎる。
「ハーブティー?」
「あれ、聞いたことないですか? もしかしてこっちの世界にはハーブティーないのかな? リズさん達はいつも何を飲んでいるんですか?」
「飲むのはお水、寒い時はお湯ね。貴族の家に行けば紅茶が出るらしいけれど、私達庶民にとっては高級品だから。あとはお酒! 私、町でバーをしているの」
昨晩のリズの姿から夜のお仕事だと思っていたけれど、バーテンダーとは意外だった。その逞しい腕なら、シェーカーを振るのも豪快だろう、と思う。
(それにしてもハーブティーなんて異世界でもありそうなのに)
なんとなくだけれど、しょっちゅうお茶を飲んでいるイメージがある。あくまでもイメージだが。