「美味しそう! 頂きます」
リズが豪快にベーグルにかぶりつき、ドイルも肉に手を伸ばす。ジークもサンドイッチを手に取った。
「ミオ、ちょっと落ち着きなさい」
「うん、でもこんなにハーブがあるなんて。どうしよう、持って帰れるかな」
ソワソワしながら、全員分のグラスに冷たいハーブティーを注ぐ。ひらり、リンデンの花びらがその中に落ちた。
「そういえばサザリン様はほとんど回復されたんだろう、ミオの力は凄いな。でも、もうカンテラで腕を焼くのはやめてくれよ。どうしても必要なら俺が焼く」
もうあんな思いは沢山だとジークは眉根に皺を寄せる。それを聞いたリズとドイルは、咀嚼途中の口を止め目を丸くした。
「そんなことしたの?」
「ジーク、なんで止めなかったんだ!?」
「いや、止めようとしたのですがその隙もなく……」
詰め寄られ上半身を仰反らせるジークの膝前に、リズがバンと手を置いた。グラスがピッと跳ねる。
「そこはお前が燃えるところだろう!?」
「も、燃える??」
「リ、リズ。言葉使いが乱暴になってるわ」
燃えろと言われジークほほを引き攣らせる。
慌てミオが間に入れば、リズはあら、と口に手を当て取り繕うとするが今更だ。
それをドイルが呆れ顔で眺めつつ、グラスを手に持った。
「それにしてもミオの入れたハーブティーは美味いな。これは何のハーブだ?」
ドイルが薄く色づく液体を日にかざす。出かけに入れた氷はすっかり溶けてしまったけれど、まだ充分冷たい。
「これにもポーション並の効果があるのか?」
ミオは首を横に振る。そういえば金色に光る粉のことはリズ以外に言っていなかったと思い出す。
「いいえ、これはそのように作っていません」
「それは作り分けができるということか?」
「まぁ、そうなりますかね……」
説明しても良いけれど、どのみち見えないのだからいいかなとも思う。自分でも何故そうなるか分からないものを誰かに理解して貰うのは難しい。
言葉を濁しやり過ごそうとしているのに、鈍いジークは身を乗り出し目の前にある水筒を指差す。
「じゃ。これに「神の気まぐれ」のご加護を与えることはできる?」
「えっ、これに?」
目をパチリたしたミオの前でジークは水筒の蓋を開けた。
「ちなみにこの中のハーブティーにはどんな効き目があるんだ?」
リズが豪快にベーグルにかぶりつき、ドイルも肉に手を伸ばす。ジークもサンドイッチを手に取った。
「ミオ、ちょっと落ち着きなさい」
「うん、でもこんなにハーブがあるなんて。どうしよう、持って帰れるかな」
ソワソワしながら、全員分のグラスに冷たいハーブティーを注ぐ。ひらり、リンデンの花びらがその中に落ちた。
「そういえばサザリン様はほとんど回復されたんだろう、ミオの力は凄いな。でも、もうカンテラで腕を焼くのはやめてくれよ。どうしても必要なら俺が焼く」
もうあんな思いは沢山だとジークは眉根に皺を寄せる。それを聞いたリズとドイルは、咀嚼途中の口を止め目を丸くした。
「そんなことしたの?」
「ジーク、なんで止めなかったんだ!?」
「いや、止めようとしたのですがその隙もなく……」
詰め寄られ上半身を仰反らせるジークの膝前に、リズがバンと手を置いた。グラスがピッと跳ねる。
「そこはお前が燃えるところだろう!?」
「も、燃える??」
「リ、リズ。言葉使いが乱暴になってるわ」
燃えろと言われジークほほを引き攣らせる。
慌てミオが間に入れば、リズはあら、と口に手を当て取り繕うとするが今更だ。
それをドイルが呆れ顔で眺めつつ、グラスを手に持った。
「それにしてもミオの入れたハーブティーは美味いな。これは何のハーブだ?」
ドイルが薄く色づく液体を日にかざす。出かけに入れた氷はすっかり溶けてしまったけれど、まだ充分冷たい。
「これにもポーション並の効果があるのか?」
ミオは首を横に振る。そういえば金色に光る粉のことはリズ以外に言っていなかったと思い出す。
「いいえ、これはそのように作っていません」
「それは作り分けができるということか?」
「まぁ、そうなりますかね……」
説明しても良いけれど、どのみち見えないのだからいいかなとも思う。自分でも何故そうなるか分からないものを誰かに理解して貰うのは難しい。
言葉を濁しやり過ごそうとしているのに、鈍いジークは身を乗り出し目の前にある水筒を指差す。
「じゃ。これに「神の気まぐれ」のご加護を与えることはできる?」
「えっ、これに?」
目をパチリたしたミオの前でジークは水筒の蓋を開けた。
「ちなみにこの中のハーブティーにはどんな効き目があるんだ?」



