「それで今からミオと一緒に領主様の屋敷に行こうと思うんだけれど、周りの様子はどうだった」
「うーん、死骸がまだ回収できてないが、ひとまず難は去ったってとこかな」
「それじゃ、行ってくる。悪いが店を頼むよ。ミオが大切にしているんだ」
「はいはい。じゃ気をつけてな」
パンを頬張りながらエドは答える。
ミオは店に戻ると冷蔵庫からカレンデュラ軟膏が入った瓶を二つ取り出し、リュックに詰めた。それからタオルをぬるま湯で濡らし表で待っているジークとエドに手渡す。エドの返り血は、ミオの記憶より増えていた。
「エドさん、火傷に効く軟膏が店内にあるから騎士団で使って。あっ、でも一本だけは置いといてもらっていい?」
「分かった、ありがとう。ジークがいるから大丈夫と思うけれど気を付けて」
「ありがとう、エドさんもね」
顔を拭いて少しさっぱりしたジークと一緒にミオは領主の屋敷へと向かうことに。
町は意外なほど昨日と変わらなかった。どうやら、ここまで魔物は襲ってこなかったようだ。
それでも緊迫した空気が流れ、巡邏している衛兵も多い。
ジークはまっすぐ領主屋敷へ向かい、そのまま玄関扉前まで馬で乗り付けた。当然ながら、何事かと護衛が近寄ってくる。
「私は国境警備にあたっている騎士ジークです。サザリン様がドラゴンに襲われたとき一緒にいました」
「では、貴方が助けてくださったのですか」
その質問にジークは肯定も否定もせず、薄く笑う。
率直で馬鹿正直なジークがそんな芸当もできるのかとミオ目をぱちくりさせた。
「火傷の特効薬を持ってきました。ぜひ面会の許可を」
「分かりました。どうぞ中に」
護衛は屋敷内にミオ達を案内すると、執事を呼んでくるので待って欲しいと言った。しかし、それより早くマーラが現れる。
「ミオ様、今火傷の薬と聞こえましたが」
「はい、朝早くから申し訳ありません。でも、早くお渡ししたくて。サザリン様はどちらにいらっしゃいますか?」
「二階です。ご案内しますのでどうぞこちらに」
マーラの案内で通されたのは二階の一番奥の部屋。朝日が昇ったとはいえ屋敷内はまだ薄暗く、廊下のあちらこちらにランタンの炎がちらちらと揺れていた。
トントン、とノックをすると中から出てきたのはマーガレット。予期せぬ訪問者に目を丸くするも、すぐに中に招き入れてくれた。
「ミオさん、どうしてここに」
「うーん、死骸がまだ回収できてないが、ひとまず難は去ったってとこかな」
「それじゃ、行ってくる。悪いが店を頼むよ。ミオが大切にしているんだ」
「はいはい。じゃ気をつけてな」
パンを頬張りながらエドは答える。
ミオは店に戻ると冷蔵庫からカレンデュラ軟膏が入った瓶を二つ取り出し、リュックに詰めた。それからタオルをぬるま湯で濡らし表で待っているジークとエドに手渡す。エドの返り血は、ミオの記憶より増えていた。
「エドさん、火傷に効く軟膏が店内にあるから騎士団で使って。あっ、でも一本だけは置いといてもらっていい?」
「分かった、ありがとう。ジークがいるから大丈夫と思うけれど気を付けて」
「ありがとう、エドさんもね」
顔を拭いて少しさっぱりしたジークと一緒にミオは領主の屋敷へと向かうことに。
町は意外なほど昨日と変わらなかった。どうやら、ここまで魔物は襲ってこなかったようだ。
それでも緊迫した空気が流れ、巡邏している衛兵も多い。
ジークはまっすぐ領主屋敷へ向かい、そのまま玄関扉前まで馬で乗り付けた。当然ながら、何事かと護衛が近寄ってくる。
「私は国境警備にあたっている騎士ジークです。サザリン様がドラゴンに襲われたとき一緒にいました」
「では、貴方が助けてくださったのですか」
その質問にジークは肯定も否定もせず、薄く笑う。
率直で馬鹿正直なジークがそんな芸当もできるのかとミオ目をぱちくりさせた。
「火傷の特効薬を持ってきました。ぜひ面会の許可を」
「分かりました。どうぞ中に」
護衛は屋敷内にミオ達を案内すると、執事を呼んでくるので待って欲しいと言った。しかし、それより早くマーラが現れる。
「ミオ様、今火傷の薬と聞こえましたが」
「はい、朝早くから申し訳ありません。でも、早くお渡ししたくて。サザリン様はどちらにいらっしゃいますか?」
「二階です。ご案内しますのでどうぞこちらに」
マーラの案内で通されたのは二階の一番奥の部屋。朝日が昇ったとはいえ屋敷内はまだ薄暗く、廊下のあちらこちらにランタンの炎がちらちらと揺れていた。
トントン、とノックをすると中から出てきたのはマーガレット。予期せぬ訪問者に目を丸くするも、すぐに中に招き入れてくれた。
「ミオさん、どうしてここに」



