そう話す私に不安そうな表情をするお母さん。私は大丈夫、とだけ言って、2人で教室に向かう。


今週は、三年生の三者面談の期間だ。


今後の進路について考え始めるこの季節は、いつも緊張する。だいたい進路は決めているけど、少し変わったところもあるから、親と先生と喧嘩しないか心配なところがあった。




「……あえて今まで聞かなかったけど……。琴乃、本当に進学希望でいいのね?」


「え?う、うん」



教室の前の椅子で順番待ちしていたら突然お母さんがそう言った。


なんで今更そんなことを聞くのだろう、と不思議に思いながらも頷いた。



「部活だって頑張っているのに、お母さん心配なのよ。琴乃の成績なら大丈夫だと思うけど……大会だって7月からでしょう?」


「……大丈夫だよ。自分で決めたことだよ。進学だって、ちゃんとやりたいこと優先して決めたんだから。お母さん、心配しすぎ!」



お母さんの心配がひしひしと伝わってきて、なんだか胸が苦しくなった。進路は去年あたりから決まっていて、勉強はコツコツしていた。