「よし。そうと決まれば明日から勧誘するぞ!華奈も協力してよね!」


「えー。琴乃だけでやってよー。私は出雲くんなんて気にしてないからー」



華奈は気だるげそうに私を見る。


出来れば華奈にも協力して欲しいと思ったけどそれは無理かな……。再会した時2人とも印象最悪みたいな顔してたし……。


なんなら、華奈は出雲くんのこと苦手意識してるし。




「そんなこと言わずにー!明日は教室来ることを一緒に願ってよ!」


「……それくらいならいいけど。それにしてもなんで教室来ないで保健室登校なんだろーね」



華奈の腕をブンブンと振り回しながらお願いしているとふとつぶやかれる。


出雲くんは私が保健室に書類を届けたあの日以降も保健室登校を続けている。出席必須科目の時も、小テストがある時も教室には来なかった。


そのせいもあってクラスメイトは出雲くんのことを忘れがちになっていた。


名前を言っても『誰だっけ?』みたいな感じで返される。



「さぁ……。なんか不思議な人だよね、出雲くん。昔はそんな感じなかったのに」