今日1日でみんなのやる気がこんなにも変わるとは思わなかった。先生とも今後の練習メニューやレッスンのことを話し合って、徐々に進めていくことになった。
吹奏楽部の地区大会まであと2ヶ月とちょっと。あまり時間はないけどできるところまではしっかりとやり切りたい。
「まぁ、自分の気持ち言えたのも出雲くんのおかげなんだけど……本当に今日話し合いができて良かった」
「え?出雲くん?」
早穂ちゃんと出雲くんの話をしていたから無意識に名前を言っていた。
ハッとした時には時すでに遅し。
華奈は不思議そうに目をぱちぱちとさせている。
「あー……えっとー……」
どうしよう。
このことはあまり人に話さないって決めていたけど。華奈になら……話してもいいのかな。
出雲くんのことよく知ってるし……。
「もしかして、出雲くんとなんかあったの?」
「……まぁ、そんなとこ。ほら、この前合奏抜けた時あったじゃん?あの時たまたま出雲くんに会って、話聞いてもらって……そのおかげで今の私がいるんだよ」