「……それは、どうだろう……本人に聞いてみないと分からないかな……」
だけどキラキラした表情で言われて、この間断られました、なんて言えないよ!
私は、あはは……と苦笑いしながらモゴモゴと答える。内心どうしよう、という言葉でいっぱいだった。
「琴乃ー!そろそろ時間だよ。先生のところに行こ!みんなも片付け急いでね!」
早穂ちゃんの返事に困っていると、華奈が私に話しかてきた。ナイスタイミング!と心の中で無意識にガッツポーズする。
私はさっさと楽器を片付け、早穂ちゃんとの話を切り上げる。
ごめんね、と心の中で無意識に謝った。
***
「いやー、良かったね。みんなやる気になって」
部活帰り。
華奈と話しながら並んで歩いていた。帰る方向が一緒なので部活がある日は基本華奈と帰っていた。
電車に乗って、家までの道のりは少し遠いけど華奈と過ごすこの時間は大好き。
「本当だよ。華奈のおかげ。ありがとう」
「いやいや。琴乃がみんなに自分の気持ちをちゃんと伝えたからだよ」