これまで自分がしてきたことは部長としての信用を失うことだった。


自分の気持ちが伝わらないかもしれない。


みんなの気持ちが一緒にならないかもしれない。


……でも、それでいい。今、この場で自分の気持ちを話すことが1番大切だから。



「……私からも、謝罪します。今まで副部長としての活動を怠っていました。そんな私に着いてきてとは言いません。ただ、みんなの意見を聞かせてください。私は、部長と同じで、全国大会を目指したいと思っています」



……華奈。


私の謝罪の後に続いたのは華奈の言葉だった。あれほど全国大会を目指すことに反対していたのに。


今はそんな面影は一切なく、まっすぐみんなを見ていた。華奈の言葉を聞いて、ジンと胸が熱くなる。


先生は相変わらず何も話さない。


きっと、みんなの意見を優先しているのだろう。華奈の後に、パートごと聞いて言った。


一人一人話を聞いて、華奈が音楽室にあるホワイトボードに意見をメモしていく。


全国大会を目指したい人、そうじゃない人。