ザワザワと騒がしくなった音楽室に。


静かな声を落としたのは華奈だった。この中にいる誰よりも悩んだ華奈。自分の生活をとるか、最後の夏の部活を取るか。


受験も控えたこの時期に、ここでの決断は大きくなる。


それは、三年生全員が同じだった。



「「「……」」」



華奈の一言に静まり返る音楽室。


みんな目を瞑り、真剣に考える。



「……それでは、考えるのをやめてください。一人一人、意見を聞いていきます。まず、部長の私から意見を言っていきます」



数分後。


私はみんなの意見を聞き始める。


緊張した空気が張り詰めて。みんなの視線が痛いくらいに突き刺さる。



「私は、みんなと一緒に全国大会を目指したいです。今まで、あまり部長らしい仕事はしてきませんでした。そのことを心から謝罪します。ですが、今……気持ちを改めて、全国大会に挑むつもりです!」



ドクドクと全身が心臓になったかのように激しく脈打つ。冷や汗が止まらない。


……初めて、自分の気持ちをみんなに話した。