そんな思いが、止まらなかった。


高校生活最後の夏に。


最高の名誉を掲げたい。



「……遅くないと思うわ。みんなの気持ちが一緒になれば、全国大会を目指せるはず!今度の土曜日の部活に、ミーティングしましょう。それで、みんなの気持ちを聞きましょう!」


「先生……!」



私の言葉を聞いて嬉しそうに意気込む先生。これで、ちゃんと向き合えただろうか。


先生と私の気持ちは一致して、全国大会という目標が決まった。自分の気持ちを、ちゃんと伝えることができた。


これも出雲くんの言葉があったおかげ。


無愛想で、ぶっきらぼうだけど。そんな出雲くんに救われた。



「それにしても、二階堂さん、この数分で見違えるほどやる気に満ちたわね。なんかあったのかしら?」


「……え?な、何も無いですよ……」



鋭い言葉にドキッとする。


思わず、あははと苦笑いした。別に出雲くんのことを話してもいいんだけど、なんか話したくない。


このことは、自分の中にそっと閉まっておきたい。そう思ってしまった。