「……二階堂さん。ごめんなさい」
音楽室の隣にある、楽器倉庫の中。中は埃臭くてむせ込みそうになる。
その中で私は先生と向き合って話し合っていた。先生と向き合って初めて聞いた言葉が謝罪の言葉だった。
音楽室に戻った私は、先生に呼ばれて話し合いをすることになった。後日ではなく、今すぐにしたいとのことで急遽楽器倉庫を使うことに。
別に空き教室でも良かったのだけど、あまり他の人には話を聞かれたくないらしい。椅子を持ってきてお互い向き合うように座る。
先生と向き合うなら2人きりがいいと思っていたから、楽器倉庫が一番いいのかな。
「私こそ……すみませんでした。先生は間違ったこと言ってないと思います。自分の感情に任せて失礼なことを……」
先生と向き合うのはとても怖い。
こんなふうに2人きりで向き合うのなんて初めてだから。いったいどんなことを言われるのだろうかとても不安だった。
数分前の自分の行動がとても恥ずかしく感じた。勝手に八つ当たりして、音楽室を飛び出して。やっていることはめちゃくちゃだったし、相当失礼なことを言ってしまった。
……こんなことになるなら、先生の言うことを素直に聞いていれば良かったのかもしれないと思ってしまった。