先生の練習メニューはみんなには合わなくて、疲れるだけ。ちっとも楽しいと思える部活では無くなった。その事で一度先生に話を持ちかけたけど。一切取り合ってくれなくて。全国大会への夢ばかり語って。
中学の頃、挫折した全国大会への夢を高校1年生の頃、また蘇らせたのに。辛いだけの練習ばかりで、その気持ちも萎んでいった。
ちっとも現実的な練習メニューではない。部活のある時はほとんど合奏を入れる。土日の練習は朝から夕方までみっちり。
たまに外部のレッスンを入れるけど厳しくて難易度高めの先生ばかり。
そのせいもあって、私以外の部員もみんな練習に疲れていた。実際、本気で全国大会を目指すとなるとそのくらいの量をこなさなければいけないのはわかる。
でも、先生、去年の大会の成績忘れてないですか……?
「全国大会に夢を見るのはいいですけど、去年の大会の成績……地区大会止まりですよ!?一昨年は地方大会まで行きました。でも、先生が変わってから、明らかにみんな疲れきってるの、分かりますよね!?」
……我慢出来なかった。
気持ちが込み上げてきて。最後は涙目になりながら先生に訴えた。
みんなのことを考えないで自分の理想ばかり押し付けて。そりゃ、最初は私も本気で全国大会目指してた。