このままでは少しやばいなと思い始める私。いくら弱小吹奏楽部だとしても曲はそれなりに仕上げなくちゃいけない。
今はもう4月中旬。
自由曲もあるのに、課題曲だけでこんなに苦戦するのは初めての出来事かもしれない。
「なんで同じこと何回も言わせるの!ちゃんと練習時間取れてたわよね!?こんなんで大会出れると思ってるの!?」
先生の怒りは徐々にヒートアップ。
……いつもこうだ。みんな最初はそれなりに頑張るけど、だんだん練習がつまらなくなって反抗する。
個人練習を放り投げたり、責任を押し付けたり。練習が大変でやめていく子も多かった。
「みんないったいこの3ヶ月間何をしてきたの!?先生、恥ずかしくて審査員の方に顔を合わせられないわ!」
「「「「…………」」」」
先生の言葉に黙り込む。
私も何も言い返せない。
ここの吹奏楽部部長として活動しているのに、そんな成果は一切ない。むしろみんなの気持ちはバラバラで。
今までいい加減な練習しかしてこなかったせいで、こんなことになっているのだ。