「やっぱり出雲くん変わったなぁ、と思って」


「そりゃそうよ。3年経てばみんな何かしら変わるでしょ。出雲くんなんか変わりすぎじゃない?」



ぼそっと言った何気ない一言。


華奈は笑いながらそう言ったけど変わっていないモノもひとつあった。出雲くんと再会したあの放課後のこと、華奈は忘れちゃったかもしれない。


ーキーンコーンカーンコーン……。


話をしていたら始業のチャイムが鳴り響いた。華奈は席に戻り、ほかのクラスメイトも席に着き始める。


私もなんだか重たい体を無理やり起こし、まもなく教室に入ってきた先生の話を聞き流していた。



「じゃあ出席とるぞー」



先生はそう言ってクラスメイトの名前を読み上げる。みんな返事をしていくけど、出雲くんの名前だけ飛ばされた。


そのことが気になってそっと後ろを振り向くと、出雲くんの机はやっぱり空っぽ。


今日も教室には姿が見えなかった。



「今日も保健室……?」



出雲くんが教室に現れないことにモヤモヤする私。