なんか、本当に出雲くんって……。



「ねぇ。出雲くん、変わったよね」


「え?」


「……昔の出雲くんの方がもっとずっと優しかった。なのに、今は全然優しくない」


「……そうかもな」



昔の出雲くんを思い出して、意地悪く言ってみる。だけど思いの外出雲くんは私の言葉に対して反応は薄い。


目を伏せ、視線を下に落とす。


……何よ、本当のこと言ってるだけじゃない。今更そんな顔して、私が悪いみたいな……。



「じゃあまたね」



自分の言ったことにまた後悔しそうになって出雲くんから目を逸らす。


別に、悪いことを言ってるわけじゃないし……。


そう自分に言い聞かせながら後ろを向こうと振り返る。その瞬間、出雲くんの耳からキラッと何かが光るのが見えた。



「ん?」



それが気になってもう一度振り返ろうとしたけど。出雲くんはもう前を向いて勉強を再開していた。


……気のせいかな?


確かに何かが光った。気になるけど私の気のせいかもしれないし。