「……よしっ」


「キャー!ゴールド金賞!」



上手く状況が呑み込めず、固まる私をよそに周りの仲間は喜びを噛み締めている。隣の席に座る出雲くんですら、ガッツポーズをしていた。


それを見て、ようやく実感が湧いてくる。


私たちの学校……ゴールド金賞だったんだ!!


でも、ここで喜んではいけない。


たとえゴールド金賞を取ったとしても必ずみんながみんな、全国にいける保証は無い。ゴールド金賞の中でもさらに上位の学校のみ全国大会へ進める。


それ以外の学校は、容赦なく一瞬の喜びから地獄へ落とされるのだ。


それをみんな“ダメ金”と言っていた。



「それでは、次に全国大会に進む学校を発表していきます」



喜びを噛み締めていると、いつの間にか全部の学校の発表が終わり、次に全国大会に進む学校が発表される。


私は慌ててボールペンを拾い、また握りしめる。心臓はずっとバクバクと激しく脈打っている。


だけど、今の私のバクバクは緊張とはちょっと違う。


今の私は……とても興奮していた。