私の言葉にキラキラした目で頷く華奈。


華奈も私と同じように吹奏楽部に惹き込まれていた。あとから聞いた話だと、今担当しているサックスの音に一目惚れしたらしい。


それで、迷っていた部活もあったけどそれらは候補から一気に消し去ったんだって。


それくらい、私と華奈にとって吹奏楽部に出会えたことは奇跡で、運命を変える瞬間だった。



「……君たち。もしかして吹奏楽部入る気?」



華奈と手を取り合って話していると不意に誰かに話しかけられる。


ハッとして顔を上げると、横にさっき指揮棒を持って吹奏楽部員を引っ張っていた先生がいた。



「せ、先生」


「……あ、あの……」



女の先生なのにどこか迫力があって。私と華奈はお互いに抱き合って先生を見つめる。


入部を決める瞬間、もしかして見られた……?


何か悪いことをしたわけではないのに、何故か体が固まって動かない。



「あはは!そんなビクビクしなくて大丈夫よ。うちはやる気のある子ならみんな入部大歓迎だから。ぜひ吹奏楽部の世界の一員になってくれ」