ーードクン、ドクン、ドクン……。
全身が心臓になったかのような、激しく脈打つこの感覚。出雲くんを見つめすぎていたせいか、彼とバッチリ目が合ってしまった。
「出雲、自己紹介」
「……出雲、真宙です。よろしく」
再び静まり返った教室に響いたのは、正気を失った出雲くんの声が響いた。その声を聞いてみんなは黙り込む。
まるで、この前再会した時の、私と華奈のようだった。
華奈は……華奈は、どう思ってる?
そう思って、そっと華奈の顔を盗み見た。華奈も驚いたようで、みんなと同じように固まっていた。
「えー、みんなと過ごすのはあと1年もないが新しい仲間をよろしくな。出雲の席は窓際の奥。それじゃあホームルーム始めるぞー」
先生のその一言で出雲くんは席に向かい、いつものホームルームが始まる。本当にあっという間の出来事だった。
どうしよう、華奈。
出雲くんに、会えちゃったよ。
2度目の、再会果たしちゃったよ。
ねぇ、今日の約束、なくなっちゃったよ。
もう、出雲くんのことで、頭がいっぱいだよ……。