不安な気持ちを口に出しながら華奈を見る。すると、頼り甲斐ある言葉が返ってきてほっとした。



「今日も合奏前に自由な練習時間あるでしょ?その隙に行っちゃおうよ」


「そうだね。そうする!華奈、ありがとう」



華奈の言葉に一気に不安が無くなった。頼もしい華奈がにこりと微笑む。


その時、ホームルームが始まるチャイムが鳴った。華奈は自分の席へ戻って行った。


華奈の言葉はいつも勇気をくれる。私が不安がっているとすぐに理解してくれて、とても頼れる親友だ。



「次、出雲くんと会ったら何を話そう……」



今日の約束だけは、無性にドキドキして。早く放課後にならないかなとソワソワした。


そして、ふと窓の外を眺める。


空は相変わらず雲ひとつない青空が広がっていて、最高に良い天気だった。気分はあまり晴れてはいないけど、少しだけ心が軽くなったような気がする。