昔の頃の記憶とこの前出会った出雲くんが違いすぎて。ずっと、ずっと考えていた。



「う、ん。出雲くん、なんで私たちの学校にいるんだろうって考えてた。あと、昔と違いすぎて……」



華奈には隠し事はできないと分かりきっていたので、正直に話した。


真剣に私の話を聞いて何度も頷く。



「まぁ、ね。私も見た時は驚いた。だって昔は何をするにもキラキラ輝いていてみんなをまとめる存在でしょ?吹奏楽部で唯一推薦で県外行って。音楽エリート!って感じだったのにね……」



華奈が話す度に昔の出雲くんが頭の中に思い浮かぶ。でも、どうしてもこの前会った時のような表情が重なってしまう。



「それでさ。また今日の放課後中庭に行ってみようよ。そしたら何かわかるんじゃない?」



頭を抱えながら唸っていると華奈がパッと閃いたように話す。


その言葉に驚いて顔を上げた。


……そうか。その手があったか!!



「さすが華奈!!その手があったか!」


「えへへー。何年琴乃と親友やってると思ってんの?多分このことは考えてないなと思っていたよ」