私のどんよりと曇りきった気分とは大違い。ここ数日あまりよく眠れなくて、寝不足のまま過ごしていた。学校に登校した時も、頭はズキズキと痛かった。
「琴乃、おはよう」
「おはよう……」
「どうした?寝不足〜?」
クラスメイトから挨拶されるけど元気に返す気力はなくて。思いっきり暗い声で挨拶を返す。
そんな私を見て、苦笑いするクラスメイトたち。それに反応する気力もないため、そのまま自分の席に座った。
「琴乃、おはよう。大丈夫?」
「おはようー……。大丈夫、じゃないかも」
席につき、顔を机に突っ伏していると遅れて教室に入ってきた華奈に起こされる。
いつもと違う私を見て心配しているのか、顔を覗き込むようにして私を見る。
「何だか寝不足みたいだね。もしかして出雲くんのこと考えてたの?」
「え?」
華奈は前の席から椅子を引っ張ってくると目の前に座る。華奈の言葉にドキッとした。
私は思い切り顔を上げる。
……図星をつかれ、黙り込む私。
実は週末の部活も、家での生活も、ずっと出雲くんが頭から離れなくて。