今日は午後からの授業なのでそろそろ大学に向かわないと行けないのだけど、少しだけ本を読みたくてカフェによったのだ。
スマホを見るとメッセージが1件受信されている。
『今日の授業午後からだよね?私先に教室入ってるから、隣の席座ってね!』
メッセージの相手は琴乃だった。琴乃は中学の頃からの部活仲間で、今は1番大切にしたい恋人。
学生の頃は部活に打ち込み、恋なんて興味なかったけど同じ大学に進んだことがわかった時、ほとんど無意識で告白していた。
僕には琴乃が必要だ。
耳が聞こえない僕が隣にいるのは嫌かもしれないけど、琴乃のそばにいたい。そう強く思ってしまい、琴乃のことがすごく愛おしく感じた。
告白したらまさかのOKで、去年の夏からお付き合いが始まった。
琴乃は耳が聞こえにくい僕のために手話を覚え、大学の授業では必ず隣の席に座り板書や解説の手伝いをしてくれる。
大学に進学しても琴乃の態度は変わらなくて。とても幸せな生活を送っていた。
僕はスマホにメッセージを返信すると大学の授業に向かう。今日も琴乃に会える。そう思うだけで最高の1日だった。
数日後の休日。