こんなにも素敵な仲間を持った私はとても幸せ者だ。
「九龍も頑張ったんじゃないか?副部長として琴乃を支えて。2人はいいコンビだな。そういう所、中学の頃から変わってない」
そんな私を見ながら出雲くんは笑った。予想外の言葉に華奈と私は顔を見合わせる。
華奈は嬉しそうに目を細めると、出雲くんを見た。
「みんな頑張ったよ。この3年間。……いや、6年間。ここまで打ち込むものが自分にできるとは思わなかった。吹奏楽部があったからこそ私たちは出会えた。これもひとつの運命じゃない?」
……確かに華奈の言う通りだ。みんなひとつの事を一途に頑張って、ここまでたどり着いた。
6年という月日は長いようであっという間。あともう少ししたら私たちはまた別の道を歩むことになる。
出雲くんと華奈に出会えたことは運命。
そして吹奏楽部に出会えたことも運命。
ここまで来たのはきっと何かに導かれてきたのだ。途中で遠回りしてしまったけどまたこうしてみんなと音楽ができるのもまた運命だと思った。
「出雲くん。ありがとう。吹奏楽部の世界に戻ってきてくれて」
活動出来る時間は少ないけどそう言わずにはいられなかった。