華奈と出雲くんが会うのは再会した日以来なので2ヶ月ちょっと振り。華奈は気まずそうに出雲くんから視線を外す。


その光景を見て胸がぎゅっと痛くなった。


かつて仲間として一緒に戦ったのに、たった3年でこうなってしまうんだもの。時間の流れは怖い。


色んなものを変えてしまうから。



「……とりあえず移動するか。近くにファミレスあるからそこでもいい?」


「大丈夫だよ。ファミレスだと騒がしいけど出雲くん大丈夫なの?」



あまり聞こえない出雲くんにとってファミレスは話し合いする場所には向かないんじゃないか。そう思って言ったけど、その後に後悔した。


こういうことは言わない方がいいのかな。変に気遣わない方が出雲くんも気が楽なのかな。


そんな考えが頭の中をぐるぐると駆け巡る。



「ファミレスくらいなら大丈夫。ありがとう、琴乃」


「……うん」



そんな私に気づいたのか出雲くんは笑ってそう言った。苗字呼びから名前呼びに変わったことにも気づいて、返事を躊躇う。


華奈も気まずいやらで微妙な空気が流れた。


私たちは無言でファミレスに向かい、席に案内されるまで一言も話さなかった。