ぶっきらぼうにそう言い放つ出雲くんだけど本気で追い出そうとはしていないみたい。私が邪魔ならどんな手を使ってでも保健室から追い出すと思うから。
「……この前ね。大会の前に最後の追い込みとしてみんなで合宿したんだ」
「……」
少しの沈黙の後、私はポツリポツリと話し出す。私が隣に座っても勉強することをやめない。
話し出しても、手を動かしたまま。
でも私もやめなかった。出雲くんを勧誘しないと決めたけど“出雲くんと向き合うことはやめない”って決めていたから。
例え、嫌がられて話すことはやめない。出雲くんと向き合えるまで向き合うって決めたから。
自分勝手な私でごめんね。
「地獄のスケジュールで動いたけどみんな最後までやり遂げたよ。文句を言いながらだけど、確実に大会に向けて強くなってる。力がついてる」
この前の地獄の合宿は本当に辛かった。私でさえもそう思うほどだったのに。みんな最後まで私と先生と3年生についてきてくれた。
途中で嫌になって抜ける子もいるかなと正直思っていたけどそんなことは全然なくて。むしろ練習が終わったあとも自主練習をしていたほど努力していた。