お昼前。


私たちホルンパートはドキドキしながらある部屋で外部講師のレッスンを受けていた。



「よろしくお願いします。この前言った課題の確認からやりたいと思います」


「「「よろしくお願いします!」」」



メガネをかけてキリッとした服装の女の先生は、楽譜をめくると私たちを見て回る。


この先生は何度かレッスンを受けていた。


厳しめの先生で結構精神的にやられてしまうけど、レッスンが終わったあとは確実に自分たちの力は伸びている。


この先生は本物だった。


ホルンにかける情熱も異常なほど。


私たちはこの先生を信頼していた。



「ストップ。……まぁ、この前よりもできているんじゃないかしら。でもここは主旋律だからもっと歌うように吹いて。そうね……海の中で魚が泳いでいるみたいなイメージで吹くといいかもね」



こんな感じで的確にアドバイスをくれる。


その先生の言う通りに吹くと明らかに自分たちの音楽は変わる。


音楽をやるに当たってイメージすることはとても大切。だから私はいつも頑張ってみんなに説明する。


だけど先生みたいに上手く伝わらないことが多い。先生の言葉はとても貴重だからいつもの練習に取り入れたりしてる。