それと同時に嬉しくなる。なぜだか分からないけど、涙が溢れそうになった。



「……どこまで?」


「え?」


「駅。どこまでだよ」



出雲くんの思いでいっぱいになっているとぶっきらぼうに話しかけられた。そういうところは相変わらずだね。


思わず心の中で苦笑い。



「えっと最寄り駅の……」


「……ごめん、聞こえない」



戸惑いながらも最寄り駅を答えようとした。だけど声が小さかったのか聞き返してくる。


そんなに声が聞こえずらかったかな……?と不思議に思いながらもう一度顔を上げて話そうとした。



「……えっと」


「悪い、もう一度」



タイミングが悪かったのかわざとなのか分からないけど、私が話そうと口を開けた時、出雲くんが思いっきり私の近くに顔を寄せてきて、心臓が止まりかけた。


まだ何も言ってないのに。さり気ない仕草に、口をパクパクさせながら顔を熱くさせるだけで。


言葉なんて出てこなかった。


……出雲くん、急にどうしちゃったの!?


学校の時の態度はどこへ行っちゃったの!?