話しかけようか迷いながらその後ろ姿を追いかけるように電車に乗り込む。最初は印象最悪な再会だったのに。
頭の中は君のことでいっぱいなんだよ。
……ねぇ、出雲くん。
変わったけど変わっていないその姿にほっとして。また、君への想いが膨れ上がる。
この気持ちは、どうすればいいの……?
「……くるし……」
無意識に電車に乗り込んだせいで、あっという間に人に呑まれる。日曜日の午後の電車は人でごった返していた。
思いのほか隙間がなくて押しつぶされそうになる。何とかドアの隙間までたどり着いたけど酸素が薄く感じて、上手く息が出来なかった。
「……はぁ、はぁ……」
しばらく口呼吸をしていると、ふと苦しさから解放される。周りは人の熱気、圧でうるさく感じるのに、私の周りだけは妙に静かで。
自分の息遣いと心臓の音がやけに大きく聞こえた。
なんでだろうと思い、そっと顔を上げる。
「……出雲、くん?なんで……」
「……」
顔を上げた瞬間、また息をするのを忘れた。目の前には出雲くんがいて、信じられない、という思いが溢れてくる。