「おはよう、石川!」
声をかけられたのは、多分担任だ。友達がいないから何かと声をかけてくる。時々哀れみの目を向けてくるので苦手だ。
「おはようございます…」
「シャキッとしていかんと!昼まで持たんぞ!」
ポンと背中を押されよろけそうになった。
重い足取りで、教室に向かうと世界がドロドロ視えてきて吐き気を催した。
「ちょっとぉ、石川さん?邪魔なんだよねぇ?分かってる?」
石川さんと呼んでいるのは、私を"いじめている人"。松永遥香(まつながはるか)
「放課後、理科室に来い」
呼び出しの言葉は、同じ女子とは思えないくらい低い声だった。










放課後を迎え、指定された理科室に足を運んだ。
彼女はもう来ていた。従えているものも連れて。
私は従えている人物を見て驚いた。
なぜなら、小学校の頃友達だった子ー南川奈留(みなみかわなる)
奈留は、優しくて頼りになっていた。でも、ソイツのせいで絶縁状態にさせられた。
「カハハッ!ほんとに来やがった。ウケるんですけど!」
「何のよう?」
「なんのようって、これに決まってんだろ!」
そう言った瞬間目に見えない速さで私を殴ってきた。
そのせいで、私はこけた。
「キャハハっ!だっさ!同じ人間とは思えないんですけどー。次はそうだね、あんたの好きなやつやってあげる!!」
そう言った後、私のリスカットしている部分の反対のシャツを捲った。
「おい!奈留!千早!手伝えよ!こいつ逃げ足だけは早ぇからな」
カッカッカと笑いその顔が悪魔に見えた。
そして、私は3人に取り押さえられ腕と脚に何かの薬品をかけられた。痛くて、皮膚が爛れそうだった。
「今日はここまでにしておいてやる。明日はもっと楽しみなのあるからな」
そう言い残し3人は出ていった。
私は泣いた。泣きまくった。落ち着いた頃には、いじめの証拠隠滅を図った。
バレないように。バレないように。