私は、塞ぎ込みまくった。
海に行っても誰もいない。
「瑞月」と呼んでくれる人はいない。



夢を、みた。
「あなたの名前は?」
有紗だ。
「俺の名前は、
      わ………ょう」
途切れ途切れに聴こえるその名前。そして、徐々に鮮明になっていくその顔に私は見覚えがあった。
そう、私はよく知っていて優しくて忘れられない人。
彼と私は恋人同士。
夢の中で私は納得した。
この夢の世界は、"私の前世の記憶"だと。
場面が変わった。
私の前世ー牧原有紗は、自殺しようとする少女を庇いそのまま死んだ。
そして、死んだ牧原有紗は石川瑞月へと生まれ変わった。
しかも、牧原有紗は生前恋人とある約束をしていた。
"もし片方がいなくなったら海でまた逢おうー"と。