翌日、お母さんは学校を休む否を連絡してくれた。
昨日のせいなのか何となく、家の雰囲気は気まずかった。
でも、お母さんはご飯も、私が好きで食べられそうなグラタンを作ってくれた。
久しぶりに食べたグラタンは、幸せの味がした。
「美味しいっ…」
温かい味のグラタンは、涙が溢れる。
久しぶりに食べ物を美味しいと思えた。
「瑞月。ごめんね…。お母さん、気付かなかった。それに…」
また、お母さんが謝った。私は、謝ってほしいなんて思っていない。ただ、昔のように戻りたかった。
グラタンを食べ終わり、部屋に向かって貴重品入れを開けると昔お父さんから貰った貝殻を使ったキーホルダーが出てきた。
捨てたと、思ってたのに…。
「ふぐっ、ふぐっ…」
涙が洪水のように流れていった。
上を見上げても中々収まらない。
翔ちゃん。ありがとうー。君のおかげで私は、幸せの日常を取り戻せました。
そんな吉報を持って翔ちゃんに伝えようと思い立ち、海に出かけた。