私の部屋に移動をして真っ先に口を開いたのは早夏だった。
「どうしたの?お姉ちゃん」
「あの、さ…」
「ん?」
久しぶりの会話に戸惑ってしまった。
「早夏は、私がお姉ちゃんで良かったって思ってる?」
「え…」
「ずっと、ずっとお母さんとお父さんは早夏を大事にしていて私は眼中になくて…」
「私は、瑞月お姉ちゃんが姉でよかったよ」
まさかの言葉に私は顔を上げると早夏は微笑んでいた。続けて早夏は言った。
「お姉ちゃん、自分とお父さんとお母さんが気付いてないだけで才能に、満ち溢れている。それを、あたしは知ってるよ」
早夏は、私を見ていないようですごく見ている。
「実は、あたしすごく窮屈なの。だから、お母さんたちにも本音をぶつけようよ!」
早夏の知らない一面だった。早夏は、突っぱねたときから反省をしたのかすごくサバサバした性格だった。
「いいの?」
「もちろん。今日は、お父さん9時に帰るらしいから」
「ありがとうね、早夏」
そう言い、私は久しぶりに家族に心から笑った。