体育館の壁にとなり同士で並べられた私と彼の似顔絵。
そこには、絵のタイトルがレベル3の笑顔の彼と、レベル2の笑顔の私。
2つの絵は偶然にも神様がいたずらをしているかのように笑顔のままお互いの方向に目が向いている。
それに気づいた生徒たちは、仲良く2つ並んでいる絵の写真を撮っていた。
もしかしてそれが意図的に行われていたんじゃないかと噂話も始まっていて、後日から私への視線は突き刺さる一方に。
私たちの間にはまだ1レベルの差はあるけど、元はといえば0。
でも、約1ヶ月間一緒に暮らし、彼の趣味である絵と、彼が乗り越えなきゃいけない辛い過去と、あの日川で無くしてしまった貝殻というハードルを飛び越えていくうちに、0から1。そして、1から2に昇格した。
0は0のままじゃない。
どんなに辛いことがあってもひとつひとつ乗り越えて、お互いを思いやり、少しずつ心を通わせていけば1に変わることもある。
だから、どんなに手が届かない相手でも諦める必要なんてない。
諦めずに努力していけば実る恋だってある。
彼は超がつくほど恋愛下手だけど、これが精一杯の気持ちだと思ったら最高に幸せだ。
私のイメージが笑顔だなんて、考えるだけでもきゅんきゅんして恋のレベルアップが止まりません!
【完】