【優Side】

「……ん」

 目を開ける。体が痛い。どうやら公園のベンチで眠ってしまったようだ。

「……!! 葉月?!」
 
 辺りを見渡す。人っ子一人いない。

「……葉月」

 意識が亡くなる前、最後に聞こえた言葉を思い出す。

「俺たちのカタチ、か……」

 大丈夫、離れていても、俺たちはつながっている。そうだろ、そう言いたかったんだろ、葉月。
 大丈夫、分かってるよ。大丈夫。

 頭の中で葉月に語りかけていると、突然まばゆい光が俺の体をさした。日の出だ。



 ――俺たちの、長い長い夜が今、明けた。