「光歌、おはよ!」
朝、教室に入ると必ず挨拶をしてくれる友達の香波。
定番な褒め方だけど、明るくて元気で可愛くてみんなの人気者。
あれ、いつもと髪型が違う。
「おはよ。もしかして香波髪切った?」
そしたら彼女は大きな目をさらに大きくして私に抱きついてきた。
「そうなの! ボブにしてみたんだ! 満歌とおそろいだよ! どう?! 似合う? 可愛い?」
私はその勢いにちょっと押されながら「可愛いよ」と感想を言う。
でも、胸が苦しかった。
確かに似合っていた。でもだからこそ辛かった。
私の髪型や服装を褒めてくれたあの人の言葉は本物だったのだろうか。
そんな考えが頭を過ってしまうから。
疑いたくない考えたくない。でも……。
「ちょっと、トイレ行ってくるね!」
「う、うん。行ってらっしゃい」
急だったからか、戸惑っていた様子。
でも、今の私には気にしている余裕なんてなかった。
私はスクールバッグも置かずにトイレに駆け出した。
途中、誰かに呼ばれた気がしたんだが、多分気のせい。そういうことにする。
幸いトイレには誰もいなかった。
個室に入り鍵を閉める。
カチャッっと音がして私は一人になる。
その瞬間、安堵と共に吐き気が襲ってくる。
私は何度かえずいた。
あの日からこんな症状が段々と増えていっていた。
吐き気に頭痛、腹痛に不眠。
考えたくないことばかり考えてしまう。
疑いたくないのに疑ってしまう。
「ふぅ……」
やっと落ち着いてきた。
スクールバッグに付いたクマのストラップが目に入る。
「清太郎……会いたいよ。戻ってきてよ。私、頑張ってるよ。約束したから。でももう限界だよ、疲れたよ」
朝、教室に入ると必ず挨拶をしてくれる友達の香波。
定番な褒め方だけど、明るくて元気で可愛くてみんなの人気者。
あれ、いつもと髪型が違う。
「おはよ。もしかして香波髪切った?」
そしたら彼女は大きな目をさらに大きくして私に抱きついてきた。
「そうなの! ボブにしてみたんだ! 満歌とおそろいだよ! どう?! 似合う? 可愛い?」
私はその勢いにちょっと押されながら「可愛いよ」と感想を言う。
でも、胸が苦しかった。
確かに似合っていた。でもだからこそ辛かった。
私の髪型や服装を褒めてくれたあの人の言葉は本物だったのだろうか。
そんな考えが頭を過ってしまうから。
疑いたくない考えたくない。でも……。
「ちょっと、トイレ行ってくるね!」
「う、うん。行ってらっしゃい」
急だったからか、戸惑っていた様子。
でも、今の私には気にしている余裕なんてなかった。
私はスクールバッグも置かずにトイレに駆け出した。
途中、誰かに呼ばれた気がしたんだが、多分気のせい。そういうことにする。
幸いトイレには誰もいなかった。
個室に入り鍵を閉める。
カチャッっと音がして私は一人になる。
その瞬間、安堵と共に吐き気が襲ってくる。
私は何度かえずいた。
あの日からこんな症状が段々と増えていっていた。
吐き気に頭痛、腹痛に不眠。
考えたくないことばかり考えてしまう。
疑いたくないのに疑ってしまう。
「ふぅ……」
やっと落ち着いてきた。
スクールバッグに付いたクマのストラップが目に入る。
「清太郎……会いたいよ。戻ってきてよ。私、頑張ってるよ。約束したから。でももう限界だよ、疲れたよ」